月の櫂 |
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http://www.itoen.co.jp/new-haiku/18/kasatoku03.php
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歌集『無援の抒情』道浦母都子
一気に読み終えてしまった。 もちろん、ここ数か月のショッキングな一連の出来事の後で 手にしたからである。 多くの人たち、とりわけ若者たちが、今、のわけのわからぬ 理不尽さにさいなまれて心が折れそうになっていることだろう。 そういう事情を踏まえて、これは、緊急に出版されたのかも しれない、とふと思う。 言わずと知れた、道浦母都子伝説。 1980年発行の名歌集の新装版である。 若干の時代のずれと出来事の内容の相違は当然のこととして、 心に残る歌がたくさんあったのですこし書き留めておく。 少女らの今宵の意志を預かればただ祈りいる静かなるデモ 釈放されて帰りしわれの頬を打つ父よあなたこそ起たねばならぬ たまらなく寂しき夜は仰向きて苦しきまでに人を思いぬ 今だれしも俯くひとりひとりなれわれらがわれに変りゆく秋 白鳥の来しこと告げて書く手紙遠き一人に心開きて 弟と呼びたき愛しき若き群れ地を鮮血で染むことなかれ どこかさめて生きているようなやましさはわれらの世代の悲しみなりき この国を捨てたき夜に買いし地図いまもリュックに開かずにあり 蒼ざめし馬にまたがり逃がれゆく雪ふる夜のわが幻は 『無援の抒情』道浦母都子歌集 ながらみ書房 2015年10月8日発行(2000円)
by HIROKO_OZAKI1
| 2015-09-29 23:11
| 短歌と短歌論
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